女神性と大将性のバランス

前の記事で、『大将』をイメージできる存在として”男一匹ガキ大将の銀ちゃん”を挙げましたが、実は『女神性』と『大将性』とのバランスのとれた組織の中での『大将』をイメージする場合、現状の私にとっての最適な例は『風の谷のナウシカ』の”クシャナ”になります。

アニメ映画しかご覧になっていない方はイメージしにくいかと思います。

アニメ映画版は、かなり話がはしょられた形になってしまっていて、原作の漫画版で描かれている各キャラクターがうまく伝わっていません。

漫画版での”クシャナ”は、頭がよく、前線に立ち、戦略家で、部下を良く褒め、全体を勝利に、そして生き残りに導きます。

それゆえ部下から慕われ、尊敬され、忠誠を示されます。

全体を会社に例えれば、理想の上司、理想の社長と言えるでしょう。

”ナウシカ”の『女神性』と違うところは、その関係の基盤となっているのは純粋な『愛』ではない為、権力を失いつつあるとみられた場合、裏切る部下や、出し抜こうとする者たちが現れてきてしまいます。

やはり、『大将性』はピラミッド構造の組織内で尊敬を得て、配下をうまくコントロールするには効果的な特質なので、戦いの場である戦場やビジネスにおいては非常に有効な特質と言えます。

『女神』である”ナウシカ”も、戦場においてはこの特質を発揮する場面は描かれています。

つまりは、男であれ女であれ、状況に応じて『女神性』も『大将性』も発揮して、全体を安心安全な状態に導くことが理想的ですね。

ところが、多くの家庭では男性が『大将性』だけを発揮しようとしてしまい、しかもうまく発揮できずに、威張る、怒鳴る、暴力をふるう、家事を手伝わない、子供の面倒を見ない、といった状況がみられるようです。

そんなの大将でも何でもないよね。

男はね、平常時は『女神』をしっかりサポートして平安を維持し、緊急時に『大将性』を発揮してカッコいいとこ見せればいいんだよ。

なーんちゃって、現在私も修行中の身ですけどね~。

大将性とは?

前の記事で、『大将』をイメージできる存在として”男一匹ガキ大将の銀ちゃん”を挙げました。

銀ちゃんは、幼子たちや子犬を愛でたり『女神性』も見せるのですが、顕著に表されているのは、愛する存在に対する危害や理不尽に対する『怒り』に基づく断固とした制裁です。

女神性』は、愛するもの全体が平安、安心、快適に生きることができるよう平常時の豊かな状態を生み出すよう心を配ります。

家族でいえば『母親』であり、体でいえば『副交感神経』であるわけですね。

対して『大将性』は、愛するもの全体に対する『脅威』あるいは『敵』が現れた時、断固としてそれに対処する、防御する、戦う、といった特質です。

家族でいえば『父親』であり、体でいえば『交感神経』と言えるでしょうね。

言わば緊急時に発揮される特質なので、ドンピシャなタイミングで発揮されるなら「カッコいい!素敵!」となるのですが、何せ『怒り』によって我を忘れてしまいがちなので時として愛する者たちにも被害が及んでしまいますね。

ほら、『交感神経』が本当は外部からの敵をやっつけたくて『免疫細胞』に指示を出すのに、自分の細胞を攻撃してしまう、みたいな。

ですから、時と場合に応じた『大将性』を発揮するには、全体の長期的な平安を考える『女神性』が必要不可欠であって、両者のバランスが大切だということですね。

じゃあ、どうやってそのバランスをとっていくの?となるわけですが、ズバリ!!学んでいくしかないですよね。

経験して学んでいく。

できるようになるまで真似する、練習する、訓練を受ける。

守られた安心安全な環境で、満足するまで学んでいくという特質を『子ども性』と私は定義したいと思います。

人は誰も完ぺきではありません。なにかしら学んでいくべきことがたくさんあります。

そんな全体的な『子ども性』が安心した状態で学んでいくことができるように、直面する脅威に対して断固として立ち向かうのが『大将性』ということですね。

自分のためにも、全体のためにも、適切に発揮したいものですね。

女神性とは?

私にとって『女神』のイメージは

全てを愛で包み込み、養い、育て、導き、励まし、慰める存在

まあ、一言でいえば家庭における理想のお母さん像ですね。

『全てを』とは何か?を考えて、それが家庭以外にあてはめられる場合、その存在を『女神』その表す特質を『女神性』と表現すると、しっくりとくるのです。

わが子がどれほど非行を重ねても、見捨てず立ち直らせ、導き、励まし、助け続けるお母さん

障害を持ったわが子が、親である自分がいなくなってからも自分の力で生きていけるよう道を整えようと奮闘するお母さん

世の中には、家庭の中で『女神性』を発揮しているお母さんはたくさんいます。

家庭以外での例を挙げるとすれば、なんといっても”ナウシカ”でしょう。

彼女にとっての『全て』は、風の谷の住民にとどまりません。

同盟国の戦士たちも、敵国の戦士も平民も、蔑まれている虫使いたちも、彼女にとっては愛で包む対象です。

そして彼女の愛する対象は、人間にもとどまりません。

テトも、カイも、王蟲も、虫たちも、腐海の植物たちさえ彼女は愛しています。

究極は、巨神兵から「ママ!」と呼ばれてしまいました。

そうです、『女神性』を表す『女神』は、愛する『子供たち』から愛され、大事にされ、助けられます。

”ナウシカ”と対極に位置するのが”クシャナ”ですね。

彼女も女性であり、部下たちから慕われていますが、彼女の立ち位置は『大将』であり、明確に表している特質は『大将性』であると言えます。

では、『大将性』については、別の記事で書きたいと思います。